キレイ人がいた その5
まったく、こんな恐ろしい趣味を持っているなんて、気が知れない以外の何であろうか。
それか20分後、機上の人として無事地上に生還した私は、「飛ぶ人」として同じく無事生還した彼女に下界で再会した。
ヘルメットをはずしたその顔は、頬が軽く上気している以外はまったく平常そのものだった。
先程の恐怖でまだ膝ががくがくしている私と比べ、何と堂々と落ち着き払っていることだろうか。
「さあ、いよいよ次はあなたの番よ」
「と、とんでもない」とりあえずちょっとだけ笑ってそう答えた私の声が冗談ぼく聞こえたとしたら、それはとんだお門違いだ。
私は確かに心の底から「とんでもない」と思っていました。
単なる見学者として飛行機に同乗しただけでもう充分だったのです。